レッスンや練習に関して
レッスンの中で大切にしていること、
練習で気をつけて欲しいこと
CDから何を聴くか
当教室で使う教材:鈴木鎮一 ヴァイオリン指導曲集の1〜8巻にはCDが付いていて、それを『聴いて』欲しい、というのは『音』を聴くというページで触れました。
では、CDから何を聴くのか(どう聴くのか)?
音程、音の長さを聴くだけでは残念過ぎる。音の強弱、音と音の間に隙間が有るのか無いのか、音色…多くの情報が詰まっています。一度に全ての事を聴き取る・吸収するのは大変ですが、少しずつ出来るようになって欲しい。まずは、「スラーの有無」を聴き分けることを目指しましょう。
以下は鈴木鎮一ヴァイオリン指導曲集1巻の13曲目、「メヌエット 第1番」の冒頭です。
この曲で最初にスラーが出てきますが、CDを聴くだけでは、譜例1との区別は難しいです。ここは楽譜を見て、弓の動きを覚えてもらうしかありません。(括弧内のダウン・アップの記号は書いてなくても、弓順に弾けばそうなりますが、念のため書きました)
では、「音のつながり」として、『聴いて』スラーと分かるのはどこか?
1巻の14曲目の「メヌエット 第2番」の15小説目、3連符に付いたスラーです。
これが、譜例2の様になると…困ります。楽譜を見て理解することも大切ですが、音を聴いて「スラーの有無」を聴き分けるのもまた大切です。
おまけ
「スラー」に似たモノに「タイ」が有ります。「スラー」は違う音を繋げ、「タイ」は同じ音を繋げる、と簡単に説明されますが…
譜例3の1小節目は「スラー」です。「タイ」にはスタッカートやテヌートは付きません。3小節目は違う音を繋ぎ、且つスタッカートも付いているので、もちろん「スラー」です。
2022年12月